2017年度全国研究大会報告

2017年7月1日(土)~ 2日(日)、中央学院大学にて、第16回全国研究【千葉】大会および
2017年総会が開催され、多くの皆様にご参加いただき、無事終了いたしました。
ご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。

開催日2017年7月1日(土)~2日(日)
会場中央学院大学(〒270-1196千葉県我孫子市久寺家451)
大会テーマ大学と地域の連携による市民(シティズンシップ)教育

シンポジウム・総会

 

 

 

分科会・個別報告

 

 

 

学生ポスターセッション

  

  

 

学術賞表彰式

◎2017年度学術賞
奨励賞
川田 順 氏 (岐阜県)
日本地域政策研究第16号 「政策としての公共調達に関する一考察」

長谷川 武三 氏 (慶應義塾大学大学院後期博士課程)
日本地域政策研究第17号 「地方議員の選挙公約の一致度分析 ―二元代表制の与野党効果―」
 

 

 

学生ポスターセッション表彰式

◎学生ポスターセッション
  会長賞(個人部門)
   松川 美希 氏 (石巻専修大学大学院 経営学研究科 博士後期課程3年)
   「未利用資源を活用した産学・異業種連携による商品開発プロジェクト」

  会長賞(グループ部門)
   石井 美羽  氏 ・ 山岸  笑 氏 (新潟医療福祉大学社会福祉学部社会福祉学科4年生)
   「新潟水俣病患者支援について-地域における健康教室の取り組みから-」

 

 

 

会場

 

 

 

シンポジウム 2017年7月1日(土)14:00~17:30

基調講演 14:10~15:10

  • 『“地域の活動の担い手づくり”にむけて、大学と地域、行政が連携してできること』

    星野 順一郎 氏 (我孫子市長)

    ≪プロフィール≫
    昭和32年千葉県生まれ。日本大学松戸歯学部を卒業後、2年間大学病院に勤務。
    その後、叔父の病院を手伝った後に、歯科医院を開業。我孫子青年会議所理事長、我孫子市介護認定審査会副会長、我孫子市歯科医師会会長を歴任。
    福祉・医療政策の推進に尽力した後、「さらなる福祉の充実を図れるのは自分以外にない」と決意して、市長選挙に出馬。平成19年に我孫子市長に就任し、現在3期目。
    座右の銘は「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」。

パネルディスカッション 15:20~17:30

コーディネーター

  • 高木 康一 氏 (中央学院大学 現代教養学部 准教授)≪プロフィール≫
    昭和49年生まれ。専門は憲法・行政法。
    首都大学東京助教、北海道教育大学准教授を経て、本年4月より中央学院大学准教授。
    デモクラシーの観点からカナダ・ドイツの憲法、統治の仕組みを研究している。

パネリスト

  • 星野 順一郎 氏 (我孫子市長)
  • 「地域との連携による市民教育の場の創造-現代教養学部が目指す教育」

    佐藤 寛 氏 (中央学院大学現代教養学部長・同大学社会システム研究所長(教授))

    ≪プロフィール≫
    昭和28年生まれ。横浜市立大学国際文化研究科博士課程単位満期終了。博士(国際学)。
    2009年より中央学院大学社会システム研究所長。2016年12月から中央学院大学現代教養学部長。専攻は環境社会学。
    著書に『モンゴル国の環境と水資源-ウランバートル市の水事情-』(成文堂 2017年)、『水循環健全化対策の基礎研究-計画・評価・協働-』(共著 成文堂 2014年)他多数。

  • 「農村協働における大学との連携」

    高橋 修 氏 (印旛沼土地改良区 元事務長)

    ≪プロフィール≫
    昭和28年生まれ。日本大学農獣医学部農業工学科卒(現生物資源科学部)を卒業後、印旛沼土地改良区に入所。この間、土地改良区の要職を歴任する他、印旛沼流域水循環健全化会議、印旛沼流域環境・体験フェア市民企画部会他において、多年にわたり地域連携活動を実践。
    2017年3月同所退職後は、農村協働(多面的機能支払活動)の活動組織立ち上げ等に携わっている。

  • 「グローバル化と市民(シティズンシップ)教育のための大学・地域連携の可能性」

    中川 淳司 氏 (東京大学 社会科学研究所 教授)

    ≪プロフィール≫
    昭和30年生まれ。東京大学法学部卒、同大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。
    東京大学法学博士。東京工業大学工学部人文社会群助教授、東京大学社会科学研究所助教授を経て、2000年より東京大学社会科学研究所教授。専攻は国際経済法・国際法。
    著書に『資源国有化紛争の法過程』(国際書院、1990年)、International Harmonization of Economic Regulation (Oxford University Press, 2011)、『WTO 貿易自由化を越えて』(岩波書店、2013年)他多数。

  • 各パネリストによるテーマに関する事例報告、問題提起(20分×3名)
  • 提起された問題点に関するディスカッション(30分)
  • 会場との質疑応答と意見交換セッション(30分)

趣旨の概要

2016(平成28)年の参議院選挙から選挙年齢が18歳以上に引き下げられたことを機に、模擬投票など、主権者教育への取組みが見られる。また、道徳の教科化、新科目である公共の導入提言の他、学士課程教育では「21世紀型市民」の育成を目標とする質的向上の取組みなど、大規模な教育改革・再編が進展している。

そこでは、子どもや若者が自立した主体(市民)として、地域の身近な課題を理解し、解決に向けて自ら考え、社会参画していくことが期待され、この基礎となる「市民(シティズンシップ)教育」の具体化が強く求められている。

こうした課題に応えるため、我が国ではイギリスのクリック・レポート(B.クリック)などが広く参照されているが、参加民主主義や熟議民主主義などラディカル・デモクラシー論の見地からは、「理性的で能動的な市民」による公共的対話を通じた民主主義の再生が期待されている一方で、伝統的価値観を重視する立場から、市民の共同体への義務や責任などに関する立論も見られ、反知性主義的な傾向のみられる昨今の現代社会の状況とともに、その方向性が懸念されるところでもある。

当学会においては、これまで地方創生・地域活性化など、地域課題の解決や地域づくり・人づくりに資する研究事例と議論が蓄積し、豊富化してきている。しかし、現代社会の担い手となる市民の具体像とその素質(シティズンシップ)として、いかなるものが目指されるべきであるかは、いまだ十分な検討がなされていない。また、地方自治体をはじめ、地域に関わるNPO、民間企業、住民、大学など、関係主体の連携・協働の下、こうした市民をどの様に育成すべきであるのかということも、大きな課題であろう。

第16回全国研究【千葉】大会では、こうした観点から大学と地域の連携による市民教育のあり方についての議論を深め、手がかりを得ていくとともに、そこにおける地域政策学の果たし得る役割は何か、を考えていきたい。

投稿日:2016年12月7日

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